糸賀一雄記念賞音楽祭と
障害のある人の表現活動発信ウェブサイト

出会いと学びのプログラム
「取組事例の報告〜学びの共有」

糸賀一雄記念賞第二十一回音楽祭は、12月4日(日)ひこね市文化プラザにて開催します。チケットは現在発売中! 以下のサイトよりお求めください。

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8月からスタートした研修プログラムの最終回を10月18日に開催しました。会場はひこね市文化プラザです。障害者の舞台芸術鑑賞や公演実施に取り組んできた方々から制作事例について聞きました。また、後半はグループワークで本プログラム全体の振り返りを行いました。

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 前半は、加藤哲さん(エンモ・コンサーツ)、白﨑清史さん((公財)びわ湖芸術文化財団、滋賀県立文化産業交流会館)、西田光賜さん(糸賀一雄記念賞音楽祭 舞台監督)がご自身の経験を語ってくれました。進行は第1回の講師をしてくださった南部充央さん(一般社団法人障害者舞台芸術共同機構 代表理事)です。

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 加藤さんは、公共ホールの運営に携わるなかで、より多くの障害者に利用してもらうにはどうすべきかを考えてきました。実際に視覚障害者をコンサートに招待する機会があり、情報の届け方、料金設定、座席設定などやってみなければ分からないことがたくさんあったと言います。

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 白﨑さんは、「ぶんさん0歳児からのコンサート」について紹介してくれました。「0歳児から」を、「0歳児向け」と捉えられ小学生くらいの観客が少なくなってしまったことなどについて触れました。南部さんは、チケット区分の名称や公演タイトルに障害や年齢などを明記するかどうかといった議論は重要だと指摘しました。

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 西田さんは糸賀一雄記念賞音楽祭の舞台監督として、障害のある出演者のための舞台制作について紹介しました。客席だけでなく出演者の導線もバリアが多いこと、舞台制作者が持つ“型”にとらわれず工夫することなどについて語ってくれました。

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 後半はこれまでに学んだことをアウトプットする時間です。講師も交えて少人数のグループにわかれ、印象に残ったことや考えたことなどを出し合いました。

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「サポートを受ける側、提供する側がお互いに理解しながら取り組む必要がある」「高齢者など配慮を必要とするのは障害者手帳などを持つ人に限らない」「ホールの設備にバリアがあっても工夫することで受け入れ可能になる」といった意見がありました。南部さんは「合理的配慮は法律によってスタートしたが、これをきっかけに文化や社会について考える機会が増えることを期待している。人だけでなく自然も含めた多様さや豊かさを考えるために文化芸術やスポーツは役立つはず」と、参加者に呼びかけました。

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 実践者の事例紹介や音声ガイド制作体験、障害当事者との出会い、受講者同士の対話など、今回のプログラムが障害者の舞台芸術活動や鑑賞に取り組むきっかけとなることを願っています。

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